著者
越田 明子
出版者
鹿児島国際大学
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.17-32, 2004-12-30

奄美大島南端の瀬戸内町の養護老人ホームY園利用者から,聞き取り調査を実施し,利用者の語りを通して,離島高齢者の生活とY園の現況を考察した。調査対象である13名の利用者が暮らしていた,過疎化,高齢化する「島」は,健康であればよいところであるが,独りになり健康を害すると,移動や食事に困難を体験し,孤独で,辛いところであった。また,利用者は,Y園での生活に満足していた。Y園は,生活支援が少ない離島生活に代わり,他者との交流,安心した食生活,行事など,「島」のよい側面を提供し,離島高齢者の居宅生活機能を担っていた。今後は,良質な介護も備えた生活支援施設として,さらに必要とされると考察した。

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