著者
渡部 武
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学紀要 (ISSN:03899543)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.115-126, 1990-03-20

石田梅岩著『都鄙問答』における学問の性格を、本稿では学問の功用と、正統と異端の区別についての梅岩の見解に、『翁問答』と『童子問』との見解を対比して解明しようと試みるものである。梅岩は学問によって、五倫が立ち、士農工商が身を立てることが出来ると主張して、学問は現実的で、プラグマティックな功用を有する点で有用であり信頼できるとした。この点で、藤樹が身を立てることのみでなく心の安心に、仁斎が世俗の人倫的世界とそれとの一体性における立身の実現に学問の功用をみたのとは、異なっている。次に、梅岩は正統と異端の区別を立てはいるが、学問の世俗の功用とその実際の結果を重視したために、両者の区別は相対化され、異端もまたその功用によって認知されることになる。藤樹にあっては両者の区別を厳しく立てながらも、その主体的な日新の学問的態度によって、その厳しさが緩和され、他方仁斎にあってはその区別は明確な基準に従って厳格を極めた点で、梅岩はこれら両者とは異なっている。

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こんな論文どうですか? 『都鄙問答』の学問観 (上)(渡部 武),1990 https://t.co/xMC8qBozHP 石田梅岩著『都鄙問答』における学問の性格を、本稿では学問の功用と、正統と異端の区別についての梅岩の見解…

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