- 著者
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阿部 真理子
加納 尚美
島田 智織
小松 美穂子
- 出版者
- 茨城県立医療大学
- 雑誌
- 茨城県立医療大学紀要 (ISSN:13420038)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, pp.133-145, 2004-03
- 被引用文献数
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外からは見え難い出産環境の現状を探る目的で, 2002年秋, 新聞や地域情報紙で, 茨城県南地域で過去5年以内に出産を経験した人を募集した。6名1人約2時間のインタビュー逐語記録について, 医師, 助産師, 看護師の対応に言及している部分を取り出して整理すると, 産む人の身体的・精神的欲求に照らして, 医療者との間で様々なコミュニケーション・ギャップが経験されていることがわかる。産む人の受け止め方を大きく「不足感の気づき」「満たされる」の2つのカテゴリーに分類し, コミュニケーション・ギャップの本体として「不足感の気づき」, そこに含まれる「不足感の合理化」「不足感の転化」について検証した。現場で繰り返し体験される何気ないコミュニケーション・ギャップは, 産む当事者の主体性や自律性を侵食し, 脆弱なものとしていることがうかがわれた。