著者
大桃 道幸
出版者
群馬大学医学部保健学科
雑誌
群馬保健学紀要 (ISSN:13434179)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.103-110, 2003

トマス・ハーディの短編小説To Please His Wifeは, 野心のために夫と二人の息子を失った女性ジョアンナの半生を描いた作品である。ハーディの短編小説は長編小説に比べ, 過小評価されてきた嫌いがあり, To Please His Wifeもまたその例に漏れず, 因果応報, 自業自得の単純な物語として片付けられがちである。しかしながら, 小説家ハーディの円熟期に書かれたこの作品はその簡潔なペーソスあふれる筋立ての中に, 結婚, 階級(意識), 野心, 教育, 出世といった同時期に書かれた長編小説に共通するテーマが織り込まれていて, ハーディ文学を理解する上で見落とせない作品となっている。ハーディはまた, 主人公のジョアンナを野心のために身を滅ぼした一人の愚かな女性から〈船乗りの妻〉という普遍的な悲劇のヒロインへと高めることにより, To Please His Wifeを時空を超えた感動的な悲劇的作品にしている。

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こんな論文どうですか? HardyのTo Please His Wifeをめぐって(大桃 道幸),2003 https://t.co/ubwBu9tVXu トマス・ハーディの短編小説To Please His Wifeは, 野心のために夫と二人の息…
トマス・ハーディの「帰らぬひと」(原題:To Please His Wife)は「相対的な地位」を巡る競争が招く不幸を説いた話・・・としても読めるであろうな。野心が招く悲劇と言ってもいいだろうけれどのう(https://t.co/ZlCmRkQ9UC)。

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