著者
小芝 章剛
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.12-21, 1988-02-29

胎児異常を診断するには,正常構造の確認が基本となる。そこで胎児の胃,膀胱,腎臓,胆嚢を対象臓器として,超音波検査による検出を試み,各臓器の妊娠週数毎の検出率を算出し,それにより胎児異常スクリーニングに適した時期を検討した。その結果,胎児の胃は妊娠21週以降,膀胱は23週以降,腎臓は25週以降でほぼ全例に検出可能であった。さらに当院における出生前診断症例を調査し,本研究の意義について検討を加えた。当院における出生前診断症例14例中13例が妊娠30週以降に診断されており,手術施行例6例中5例が生存,非手術例8例中5例が死亡していた。非手術例においては,より早期の診断により児の予後の改善と母体の負担の軽減が可能と考えられた。以上より,産科外来における胎児腹部の先天異常のスクリーニングは,妊娠21週から25週が最も望ましく,以後の母体の管理や児の外科的治療に関して非常に有益であると考える。

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[paper][free] 小芝章剛(1988)「超音波による胎児異常スクリーニングとその外科的・産科的意義」 http://t.co/CXFsMswBf5

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