著者
清水功基
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.149-156, 1996
被引用文献数
3

主治医の余命判断の信頼性について一般的な傾向を把握しておくことは保険医学上重要である。本研究ではリビング・ニーズ特約における診断書提出例の生命予後を分析し,主治医の余命判断の信頼性に影響を与える因子について検討した。対象は平成6年9月より平成7年12月末までに参考意見書「はい」の診断書が提出された158件である。入院,病名告知,本人余命告知,家族余命告知,麻薬投与,疼痛,IVH実施,胸腹水の8項目についてその有無別の累積生存率を調査分析した。対象全例の6カ月生存率は30.3%,1年生存率は13.9%であった。入院無,本人余命告知有,家族余命告知無の場合に主治医の余命判断の信頼性が低くなる傾向があり,支払可否審査をより慎重に行う必要があると考えられた。疼痛有,麻薬投与有,IVH実施有の場合に主治医の余命判断の信頼性が高くなる傾向があった。癌告知の有無と主治医の余命判断の信頼性とは関連がなかった。

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