著者
栗山 進一
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.100, no.1, pp.27-34, 2002-09-17
被引用文献数
2

我が国の衛生指標は世界でも最高の水準にあり,平均寿命(男77.6歳,女84.3歳),健康寿命(男71.9歳,女77.2歳)ともに世界一である。しかしながら人口の急速な高齢化や生活習慣の欧米化が進む中で疾病構造が変化し,生活習慣病が増加している。3大疾病のなかでも,がんの増加が著しい。増加しているがんの筆頭は男女とも大腸がんである。また,男性では前立腺がん,女性では乳がんの増加も顕著である。先進国の中で飛び抜けて高い喫煙率も肺がんの依然として高い罹患率に関与している。心疾患の中では虚血性心疾患が,脳血管疾患では脳梗塞が増加している。糖尿病の激増は,保険医学上も国民の健康寿命延長のためにも最も深刻な課題のひとつである。こうした生活習慣とそれに伴う疾病構造の変化は,日本の長寿世界一の座がいつまでも続くとは楽観できない旨暗示している。

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