著者
津田 純
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 = The Journal of the Association of Life Insurance Medicine of Japan (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.102, no.1, pp.68-79, 2004-03-17
参考文献数
34
被引用文献数
1

近年世界各地で行われた大規模コホート研究を元に,総コレステロール値と死亡率との関係を調べた。死因別にみると,いずれのコホートにおいても,総コレステロール値の上昇とともに,冠動脈疾患による死亡率がほぼ直線的に上昇していた。一方,全ての研究において,最も総コレステロール値が低い集団で,悪性腫瘍の死亡リスクが高くなっていた。脳卒中については明らかな関係を認めなかった。総死亡率との関係をみると,欧米の研究では,全体としてコレステロール値の上昇と共に上昇するJカーブであったが,アジアでの研究結果は,むしろ低コレステロール群で緩やかに上昇する逆Jカーブであった。こうしたパターンの相違は両者の死因構造により生ずるものと思われた。日本人の場合,総コレステロール値の上昇に伴う総死亡率の上昇はほとんど認めず,その危険選択上の意義はあまり大きくないものと思われた。

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日本人の場合,総コレステロール値の上昇に伴う総死亡率の上昇はほとんど認めず,その危険選択上の意義はあまり大きくないものと思われた‼️

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