- 著者
-
金子 大二郎
- 出版者
- 千葉大学
- 雑誌
- 千葉大学環境リモートセンシング研究センター年報
- 巻号頁・発行日
- vol.9, pp.28-31, 2004-08
中国・インドの巨大な人口増問題と新たな水資源制約時代を背景に,現代における穀物需給の体制上の問題点と水資源不足の視点から,穀物生産量について新たな光合成型のモニタリング法が必要である。人口の巨大な両国における水制約の条件下では,従来からの有効積算気温や植生現存量ばかりでなく,日射と作物の水ストレスをも考慮した穀物生産指標を新たに開発することが重要となる。本研究は,世界気象データと衛星による植生指標を用い,日射・有効気温・植生現存量・気孔開度を考慮した光合成型の穀物生産指標をモデル化し,水資源不足時代における穀物生産量を早期に監視する方法を提案した。小麦・米・トウモロコシ等の穀物生産量の中で水稲を最も重視した。水稲は食糧問題の中で単位面積当たりの収穫量が小麦より高いことから人口扶養力が大きい。また,水資源を最も多く必要とし,水配分の視点から重要な作物となっているからである。