著者
宮城 俊作
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.205-220, 1990-02

本研究では関西地方に存続する6つの歴史的市街地を対象として,宅地割の形態にみられる特徴から抽出される宅地のタイポロジー,その基準となる形状寸法,「にわ」の存在形態,家屋を含めた敷地平面構成,の4点を検討した結果,以下の諸点が考察された.(1)抽出された住戸敷地の形態は,宅地割のオリジナル形態にみられた形状と標準規模を何らかのかたちで継承している.(2)「にわの配列は,宅地の形状と規模の基準値によって想定される敷地条件によく呼応し,間口3〜4間,奥行9間が「にわ」1単位の存在条件となっている.(3)「にわ」の単位と別棟の複数化は,敷地規模,特に奥行が増大することによって生じる.これによって敷地後部に「にわ」と家屋がヴァリエーションを持って配置されることになり,街区内部の空間に街路側とは異なった多様化が担保されることを示す.

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[japan] 読んでないけどちょっと面白そうやーん

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