著者
古牧 徳生
出版者
神戸市看護大学短期大学部
雑誌
紀要 (ISSN:13428209)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.143-160, 2005-03-01

本稿は環境倫理はいかにあるべきかについて筆者の見解を述べたものである。一章では技術者倫理と現在の環境倫理について、その輪郭を紹介する。二章からは筆者の意見である。まず現代社会の潮流としてグローバリズムをあげ、その問題点として環境破壊と社会的格差があることを指摘する。三章では「環境を守る義務」と「豊かになる権利」の兼ね合いから「公正」が問題とされること、その代表的な例としてロールズを、またその批判者としてノージックの考えをそれぞれ検討する。四章ではノージックの「自己所有権」の思想史的基礎としてロックの考え方を見る。五章では近代において産業主義の進展と共に経済学が単なる利潤と効率の追求に堕したことを批判し、「オイコス」としての地球に生きる人間にはどのような学問が必要とされるかを述べる。

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