著者
加藤 克紀
出版者
日本動物心理学会
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.11-18, 2006-06-25

ICR雄マウスにおいて,離乳後5-6週間の社会的隔離がオープンフィールド行動に及ぼす影響を直接観察法を用いて検討した。10分間のオープンフィールドテストにおいて隔離飼育個体と集団飼育個体は類似した行動変化を示したが,2つの行動成分,すなわち伸展と毛づくろいについては異なっていた。隔離飼育個体の方が最初の4分間の伸展の減少が有意に遅く,また隔離飼育個体でのみ最後の4分間に毛づくろいの有意な増加が認められた。以上の結果は,若齢期における社会的経験の剥奪が新奇環境における不安やストレス反応を強め,慣れを抑制する可能性を示唆した。

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