著者
瀬戸 瑠夏
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.174-187, 2006-06-30

2001年度以降,公立中学校へのスクールカウンセラー(以下,SC)全校配置が決定された。これに対応して,学校コミュニティに根ざした活動のあり方について,より詳細に検討していく必要がある。本研究では,学校組織全体を援助する方略の一つであるオープンルームに焦点を当て,その活動の場としての面接室(スクールカウンセリングルーム;以下,ルーム)が,どのような機能構造を有しているのかを検討した。方法として公立中学校でのフィールドワークを行い,質問紙調査(研究1)・観察調査(研究2)・面接調査(研究3)を通して,生徒の視点からルームの機能構造を探った。その結果,「開かれた異空間」「私的な異空間」から成る重層的二空間構造を見出した。さらに,研究1〜3によって深めた仮説的知見に基づき,11の機能カテゴリーを重層的二空間モデルとして再構成した。これにより,オープンルーム活動を通して問題解決が可能であることが示唆され,「スクールカウンセリングにおいて特徴的な,個人面接とも日常生活とも異なる中間領域」としての意義が明らかになった。

言及状況

Twitter (3 users, 3 posts, 2 favorites)

スクールカウンセラーに関心あり。♬ https://t.co/HtlU003sND
memo> CiNii 論文 -  オープンルームにおけるスクールカウンセリングルームという場の構造 : フィールドワークによる機能モデルの生成 http://t.co/aP1uw2Kep3 #CiNii

収集済み URL リスト