著者
奥谷 喬司
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.185-205, 1975-04-20
被引用文献数
1

黒瀬は八丈島のN20°W約43浬離れた所にあり, 頂上はやや平坦で, 200m以浅の広さが東西8.5km, 南北6kmの小さい礁である。1973年6月と11月及び1974年7月に調査船蒼鷹丸によって礁上の底棲生物採集を行った結果, 20回のドレッヂにより72種の貝類を得た。そのうち約半数が前報の銭洲・瓢箪瀬・高瀬の貝類群と共通なもので, オキナエビスガイ, コナルトボラ, などは比較的頻度が高いものであった。二枚貝類は非常に少なく, 前報の三礁上に多かったミソノナデシコやツヅレノニシキなどのChlamys属は1個体も採集されなかった。従来四国以南(西), 沖縄, 南シナ海方面からしか報告されてなかったコシダカオキナエビス, タミコカンスガイ, ヨシオキヌヅツミガイ, トキオキヌヅツミガイ, ウブダカラガイ, メメイモガイ, マイヒメイモガイなどが黒瀬上から見出され分布上興味がある。しかし, このように分布の中心から隔絶された棲息地では, 種数は著るしく少なくなることが予想される。特筆すべき種としてはコシダカオキナエビスガイは従来相模∿伊豆に分布中心をもつオキナエビスの紀伊∿九州方面の生態的等位者と思われていたが, 黒瀬上では両者ともすんでいることが判った。又, アケボノダカラガイの産地がミッドウェーとなっているが, 恐らくこの付近であろうとされていた推論が裏付けられた。Fusolatirus kuroseanusホソニシキニナ(新種)はカンダニシキニナに似るが細く色もうすく, 水管溝が細長い点で一見して区別される。Cuspidaria kurodaiセノシャクシガイ(新種)はやや細長く腹縁は直線的で嘴状部は太短かく, 丸く終り, この上に殻皮皺がある。

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