著者
奥谷 喬司
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.57-59, 1994-03-31

テレビ東京「ときめきマリンII」のスタッフのご好意により, 沖縄県慶良間諸島に生息するウコンハネガイCtenoides ales (Finley, 1927)の発光をビデオテープを通じて観察することができた。発光は外套膜縁に沿って走る青白く光る筋が素早く明滅するものである。左右の外套膜縁の閃光状の発光はかならずしも同調しないので, しばしば交叉して稲妻のように見えることもある。従来, 二枚貝綱における発光はツクエガイ科のツクエガイGastrochaena cuneiformisとニオガイ科のヒカリカモメガイPholas dactylusとヒカリニオガイBarnea candidaにおける細胞外発光(発光液の分泌)しか知られていなかった。本種における発光は組織学的研究は行われていないが, 光の強さや筋状の発光部位の移動のす早い速度などからみて, 細胞内自家発光と推察される。このような形式の発光と, それが, ミノガイ科において見られるという事実はおそらく世界最初の発見と思われる。

言及状況

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落雷のビリビリだ“@kawaragai: 進化学会のときに同世代の貝屋さんと話していて、光る貝について話題になったときに、ウコンハネガイが光る… 「ウコンハネガイ Ctenoides ales (Finley, 1927) の発光 http://t.co/xcd72RoP」”

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