著者
杉浦 志保 繁桝 博昭 北崎 充晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.143, pp.1-5, 2006-06-29

両眼視野闘争の空間的コンテクスト効果については,同化が優位に知覚されるとする報告と,対比が優位に知覚されるという相反する2つの報告がある。本研究では,これらを統合的に理解するために,方位と運動に関する空間的コンテクスト効果の時間特性および空間特性について調べた。その結果,提示時間が長くなるにしたがい対比効果は減少した。一方,網膜偏心度については,方位では偏心度の増加に伴い対比効果が増加したのに対し,運動では偏心度の変化にともなう対比効果の変化が見られなかった。この結果から,両眼視野闘争において同化が生じるためには,ある程度の時間が必要なことが示唆された。一方,偏心度の効果が方位と運動とで異なることから,それぞれの知覚モジュールにおける空間相互作用の結果が両眼視野闘争の処理に利用されていることが示唆された。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

こんな論文どうですか? 両眼視野闘争の空間的相互作用における偏心度と提示時間の効果(杉浦志保ほか),2006 http://id.CiNii.jp/ULTdL

収集済み URL リスト