著者
井出 明
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.446-451, 2006-10-01

本稿では,技術論として語られがちなフィルタリングを,社会制度の一環として捉えている。フィルタリングソフト導入の理念は青少年の健全育成のためであり,十分に合理性を持つ。しかし,無限定なフィルタリングシステムの導入は,社会に新たなる検閲制度を持ち込むことに他ならない。考察の方向性としては,インターネットを民主主義実現のためのインフラと認識した上で,フィルタリングが民主主義システムの根幹を支える"表現の自由"という価値概念を破壊しかねないという観点から批判的な考察をくわえたい。そして最終的には,今後のフィルタリングシステムをどのように運営していくべきかという視点から提言を行う。

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.@koh_t 現象というか,問題の指摘です.個人化機能のせいで触れる情報どんどん狭くなっていくという指摘です.リンク先の TED talk をぜひごらん下さい.10分ぐらいですし,日本語字幕もあります.日本で関連した指摘では http://t.co/vC3NVz8h とか

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