- 著者
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藤部 文昭
- 出版者
- 社団法人日本気象学会
- 雑誌
- 天気 (ISSN:05460921)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, no.10, pp.785-790, 2006-10-31
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
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3
本州〜九州では,5月下旬〜6月初めの半月程度の期間,梅雨入りに先立って一時的な少雨期になる.その実態を,44年間(1961〜2004)の日別資料に基づいて記述する.少雨期は九州〜近畿の南岸では5月24日ごろ,東海〜関東では5月29日ごろ,東北では6月1日ごろを中心として現れ,その期間は降水率(≧1mm)や降水量が前後に比べて20〜30%少ない.この期間は大雨日数もやや少ないが,東日本を中心として雷や雹が多発する.850hPa相当温位の解析結果から,5月後半には本州付近の傾圧性が一時的に弱まることが確認される.