- 著者
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林 喜美子
湊 久美子
北村 裕美
- 出版者
- 和洋女子大学
- 雑誌
- 和洋女子大学紀要. 家政系編 (ISSN:09160035)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, pp.167-175, 2006-03-31
中高年女性の運動習慣に影響する要因を検討する目的で、中高年女性183名(運動習慣のある者130名、運動習慣のない者51名、無回答2名)を対象に、職業の有無、運動歴、現在の運動状況などに関するアンケート調査と性格検査(YG性格検査)を実施した。対象者の平均年齢は、56.2±8.7歳であった。対象集団のうち、現在運動習慣のある者は71.0%、11年以上運動を継続している者は、48.2%であった。運動習慣のある者は、学生時代に運動経験のある者が多かった。また、現在、集団種目の運動習慣のある者は、個人種目の運動習慣のある者と比較して、運動継続年数が長かった。学生時代に運動経験のある者は、卒業後の運動経験のある者が多く、運動継続年数が長かった。職業の有無や勤務形態と運動実施との関係は、認められなかった。運動習慣のある者の性格は、運動習慣のない者と比べて、安定積極型と判定された者が多く、不安定積極型や不安定消極型と判定された者が少なかった。以上の結果から、中高年女性における運動習慣の維持には、就学期の運動経験、特に集団種目の経験が影響していることが明らかとなった。また、情緒の安定性も関係している可能性が示唆された。