著者
佐々木 修
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1-7, 2000-03-01

25℃, 31℃および37℃に制御された大型水槽をガラス室内に設置し, これにポットに生育中の水稲を入れ, 水温の違いが水稲の生育および各器官の諸形質に及ぼす影響について検討した.昼(8 : 30〜17 : 30)夜(17 : 30〜8 : 30)の変水温処理を7月1日(葉令6.5)より8月13日まで行った後材料を採取し測定に供した.1.茎葉及び根の生育量は水温31℃で最も高かった.夜水温37℃では生育は著しく劣り, 昼夜水温が37℃では全く生育を停止した.また, 昼水温が37℃であっても夜水温が25℃あるいは31℃であれば高水温の影響はほとんど打ち消された.2.茎数に対して昼間の高水温が最も促進的であったのに対し, 夜間の高水温は一定の傾向を示さなかった.草丈は25℃から31℃の範囲で最も促進され, 昼夜いずれの高水温(37℃)でも抑制されたが, 特に夜間の高水温による抑制が著しかった.また草丈と昼夜平均水温との間に高い負の相関が認められた.3.冠根数, 出葉間隔, 葉の大きさ及び冠根直径は昼間あるいは夜間の水温の違いによる影響よりもむしろ昼夜平均水温と極めて高い相関関係が認められ, 水温そのものの影響が大きかった.

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