著者
佐々木 修
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.618, pp.618_149-618_168, 2012-09-30 (Released:2014-05-08)
参考文献数
21

コンプライアンスは,損害保険業界において,非常に重要な経営課題となっている。このため,相当の経営資源を投入し,創意工夫をしながら真摯に取り組み,今日では様々な活動を通じ,質の高い対応が行われている。また,コンプライアンスについては,継続的な取組みが重要であり,業界および各社における取組みを発展的に持続させ,業界全体として高いレベルのコンプライアンス態勢を維持していく必要がある。今後さらに必要となる業界のコンプライアンスへの取組みおよび課題としては,多様化したビジネスモデルや最新の法制度を踏まえた活動等の強化,共通化・標準化の推進,保険に関する教育の充実,新たな課題への対応が挙げられる。
著者
宮腰 淑子 五十嵐 修一 永尾 侑平 井上 重宏 佐藤 朋江 関谷 可奈子 新保 淳輔 佐治 越爾 森田 健一 佐々木 修 岡本 浩一郎 佐藤 晶 山崎 元義
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.8-15, 2012-01-25 (Released:2012-01-27)
参考文献数
19
被引用文献数
1

【背景および目的】可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome; RCVS)は,雷鳴頭痛を主徴とし,脳血管に可逆性の分節状攣縮を認める疾患である.本疾患の臨床経過と画像所見の経過の検討を目的とした.【方法】2004年6月から2010年12月までに当科にRCVSの診断で加療を行った6例について検討した.【結果】発症年齢は39-53歳(平均44歳)で,女性が4例,男性が2例であった.全例に雷鳴様頭痛を認めた.3例が脳卒中を発症し,全例が女性であった.脳出血が1例,くも膜下出血と脳出血との合併例が2例であった.ベラパミルが5例に投与され,症状改善がみられたが,1例に片麻痺の後遺症を残した.【結論】突然の激しい頭痛を訴える患者を診察する際には,RCVSを鑑別に含める必要がある.
著者
佐々木 修
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1-7, 2000-03-01

25℃, 31℃および37℃に制御された大型水槽をガラス室内に設置し, これにポットに生育中の水稲を入れ, 水温の違いが水稲の生育および各器官の諸形質に及ぼす影響について検討した.昼(8 : 30〜17 : 30)夜(17 : 30〜8 : 30)の変水温処理を7月1日(葉令6.5)より8月13日まで行った後材料を採取し測定に供した.1.茎葉及び根の生育量は水温31℃で最も高かった.夜水温37℃では生育は著しく劣り, 昼夜水温が37℃では全く生育を停止した.また, 昼水温が37℃であっても夜水温が25℃あるいは31℃であれば高水温の影響はほとんど打ち消された.2.茎数に対して昼間の高水温が最も促進的であったのに対し, 夜間の高水温は一定の傾向を示さなかった.草丈は25℃から31℃の範囲で最も促進され, 昼夜いずれの高水温(37℃)でも抑制されたが, 特に夜間の高水温による抑制が著しかった.また草丈と昼夜平均水温との間に高い負の相関が認められた.3.冠根数, 出葉間隔, 葉の大きさ及び冠根直径は昼間あるいは夜間の水温の違いによる影響よりもむしろ昼夜平均水温と極めて高い相関関係が認められ, 水温そのものの影響が大きかった.
著者
長﨑 陽 鎌田 弦 刀 友基 佐々木 修平 宮城 大輔 津田 理
出版者
公益社団法人 低温工学・超電導学会 (旧 社団法人 低温工学協会)
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.117-124, 2020-03-20 (Released:2020-03-27)
参考文献数
12

This paper discusses the demonstration of a stable levitation (SL) system for a magnetic levitation type seismic isolation device using a high-temperature superconducting (HTS) bulk. The SL system utilizes a restoring force between an HTS bulk and permanent magnet (PM) to maintain the stable levitation of a base-isolation object. We first measured the restoring force between the HTS bulk and PM, and then demonstrated the performance of the SL system using a magnetic levitation type seismic isolation model device with a radial arrangement of HTS bulks and a PM rail. The SL system with the HTS bulk can reduce small vibration and displacement during the normal period of operation without experiencing a large disturbance. We also demonstrated that, when a large disturbance was applied, the transmission of horizontal vibration to the base-isolation object via the SL system was eliminated by decoupling the magnetic coupling between the HTS bulk and PM. Furthermore, the vibration transmissibility at any vibration frequency to the base-isolation object was reduced by incorporating an HTS bulk damper and eddy current damper in the model device. These results suggest that a SL system used together with an HTS bulk can realize both the stable levitation of a base-isolation object during the normal period of operation as well as the elimination of the horizontal vibration transmission when a large vibration is applied.
著者
佐々木 修平
出版者
八戸工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

超電導バルク体を用いた磁気浮上型免震装置の実用化に向けて,免震対象物の許容重量となる磁気浮上力,鉛直振動伝達の抑制が重要な課題となる。本課題研究期間において,永久磁石の配列方法や,磁性体を用いた磁束密度操作によって磁気浮上力の向上を図り,一般家屋を磁気支持できるレベルに到達することができた。さらに,モデル装置を用いて鉛直振動伝達特性について検討を行い,超電導バルク体に超電導線材コイルを取り付けることで鉛直振動伝達を抑えることに成功した。
著者
佐々木 修二 井口 登與志
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.244-248, 2013-04-15

はじめに 下部消化管より分泌されるGLP-1(glucagon-like peptide-1)は,血糖値に応じた膵β細胞からのインスリン分泌促進作用に加え,グルカゴン分泌抑制,胃内容物排出抑制,食欲抑制作用など,多様な作用を有する1).GLP-1受容体作動薬は,このGLP-1の生理活性を薬理学的濃度まで高めた新しい糖尿病注射薬である.これまでの糖尿病治療薬では体重増加・低血糖といった問題が常に懸念されていたが,GLP-1受容体作動薬は体重減少が期待でき,単剤での低血糖リスクが少なく,医療者も患者も安心して使用できるため,2010年にわが国で発売されて以来,2型糖尿病の診療に大きな変化をもたらしている.さらに,血糖降下作用を超えて,膵保護作用や抗動脈硬化作用が期待されている薬物でもある2, 3).
著者
佐々木 修 釘宮 敏定 田所 正人 田浦 幸一 新里 健 草場 照代 松隈 玄一郎 船越 衛一 河野 茂 原田 孝司 宮崎 正信 宮原 嘉之 大園 恵幸 錦戸 雅春 松屋 福蔵 齊藤 泰 高木 正剛
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.37-43, 1998
被引用文献数
1

近年, 透析患者の増加に伴い, 動脈硬化性疾患の合併は大きな問題となっている. 腹部大動脈瘤 (abdominal aortic aneurysm, AAA) や閉塞性動脈硬化症 (arteriosclerosis obliterans, ASO) は, その治療として外科手術を要することがあり, 透析患者の生命予後, quality of lifeの観点からも重要な疾患である. 今回我々は, 当院における透析患者のAAA4例およびASO3例の血行再建術症例の臨床的検討を行った.<br>AAAの症例は年齢45-61歳で, 全例高血圧を伴い, 透析導入後6か月-6年であった. 2症例が腹痛ないし背部痛を訴えたが, 2症例は腹部腫瘤触知が発見の契機であった. 4例ともinfrarenal typeで, 3例にY graft, 1例にstraight graft置換を施行し, 全例とも予後は良好である.<br>3例のASOは年齢51-67歳で, 2例で高血圧を伴い, 発症は透析導入後5年4か月-19年3か月とAAAに比し長期間の症例が多かった. いずれの症例も, 下肢痛・間歇性跛行・足趾壊死などの症状, 所見を認めた. 2例は左側のiliac~popliteal arteryの閉塞で, 自己大伏在静脈によるfemoro-popliteal bypass術を施行, 他の1例は右側のcommon~external iliac arteryの閉塞で, femoro-femoral cross over bypass術を2回施行した. 術後1例は予後良好であるが, 2例はASO以外の死因で死亡した.<br>近年, 手術手技の向上および周術期の透析管理の進歩により, 透析患者に対し安全に手術が施行し得るようになってきたが, ASOの症例は, 必ずしも予後が良好でない場合もあり, 治療法選択, 手術時期に対するさらなる検討が必要と思われた.
著者
網本 勝彦 佐々木 修 磯貝 誠 北島 崇 大石 英司 岡田 伸隆 安原 寿雄
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.681-685, 1998-06
被引用文献数
2 14

Clostridium novyi(C.novyi)B型菌のα毒素を精製し, トキソイド化後, りん酸アルミニウムゲルアジュバントを加えた精製α毒素トキソイドワクチンを作製した.4μg以上のトキソイドを含むワクチンを2回免疫したモルモットは全てC.novyi B型菌の芽胞攻撃に対して耐過した.攻撃前のモルモットの抗毒素価をVero細胞を用いて測定したところ, 10単位以上を示したモルモットは全て攻撃耐過していた.ついで, トキソイド化した培養上清及びこれに不活化した破砕菌体を加えた非精製α毒素トキソイドワクチンをモルモットへ免疫および攻撃したところ, 10単位の抗毒素価が攻撃後のモルモットの生死の境となった.また, 死亡したモルモットの攻撃から死亡までの時間は抗毒素価に比例した.以上の成績より, α毒素が, Clostridium novyi B型菌の培養上清中の主要防御抗原であるものと推察された.