著者
吉川 敏之
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 = THE JOURNAL OF THE GEOLOGICAL SOCIETY OF JAPAN (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.12, pp.760-769, 2006-12-15
参考文献数
27

栃木県北部のうち,日光市今市(旧今市市)周辺地域には珪長質火山岩類が広く分布する.このうち,飯山層および大滝凝灰角礫岩の火砕岩のフィッション・トラック(FT)年代を測定した.飯山層の火砕流堆積物中に含まれるジルコンのFT年代は14.8±0.7 Maで,ほぼ火砕流の噴出年代を表していると判断できる.大滝凝灰角礫岩の岩屑なだれ堆積物の基質部分に含まれるジルコンのFT年代は13.4±0.6 Maであるが,χ<sup>2</sup>検定に失格し,ポアソン変動以外の年代値を乱す要因を受けている可能性があり,大滝凝灰角礫岩の年代は依然として明確でない.飯山層の年代は栃木県内の海成中新世火山岩類では最も古く,放射年代に基づくと,各地域の珪長質火山岩は時間間隙を伴いながら場所を変えて噴出したものと見なせる.ただし,宇都宮地域の年代に関しては,年代値と層序の矛盾,年代決定手法間の不一致があり,この問題が解決されないと火山岩類の対比も確立できない.<br>

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@Kurosegawatai  今も火山フロントですから、変質されててよく解らなかったりするのでしょうね。ジルコンで年代出たのも最近だそうです。 http://t.co/dNx0JVKe
@Kurosegawatai  今も火山フロントですから、変質されててよく解らなかったりするのでしょうね。ジルコンで年代出たのも最近だそうです。 http://t.co/dNx0JVKe

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