著者
松木 秀明 中村 勤 河村 研一 鈴木 太郎
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.1409-1420, 2006
参考文献数
24
被引用文献数
4

【目的】布団につくダニアレルゲン対策として作製された防ダニふとんのアレルゲン低減効果を調査するため,ヤケヒョウヒダニアレルゲン(Der p.1)およびコナヒョウヒダニのアレルゲン(Der f.1)測定および血中の特異的IgE抗体の測定を行った.【方法】防ダニふとんは超高密度織物(まどろみ)を側生地に用いた布団およびフェノール系高分子薬剤処理を施こした超高密度織物を側生地に用いた布団(まどろみ+アレルバスター)を用いた.被験者を一般的な羊毛布団,まどろみ布団,まどろみ+アレルバスター布団試用群の3群に分類し,11カ月使用させた.【結果】ダニ抗原量(Der p.1+f.1)では11カ月の防ダニふとん使用でまどろみふとん試用群は,羊毛布団試用群の1/3.8,まどろみ+アレルバスター布団試用群では1/42.0のアレルゲン量であった.またヤケヒョウヒダニ,コナヒョウヒダニおよびハウスダスト1対する特異的IgE抗体の陽性率は46.7%から6.7%に低減した.【結論】以上の結果から,防ダニふとんは羊毛布団に比べ,ダニアレルゲンの低減効果があることが示唆された.

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