著者
藤井 薫和 重信 智宏 吉野 孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.63-71, 2007-01-15
被引用文献数
23

異文化間コミュニケーションにおいて,言語や文化の違いは大きな障壁である.多くの人にとって,新たな言語を習得することは大きな負担であり,お互いの母国語で円滑なコミュニケーションが成立することが望ましい.本研究では,機械翻訳機能と語句への意味づけ(アノテーション)機能を持たせたチャットシステムAnnoChat を開発し,日本人,中国人,韓国人の間のコミュニケーションに適用し,異文化間コミュニケーションにおけるアノテーションの評価を行った.実験の結果,被験者によって付与されたアノテーションの約7 割は,チャットのコンテキストに依存しない知識情報であり,蓄積し共有することで異文化間コミュニケーションにおける有用な知識情報になると考えられる.また,約2 割はチャット中に説明できなかった情報を補足するために利用されており,リアルタイムコミュニケーションにおいてチャット中のアノテーション付与が有効な例であると考えられる.In intercultural communication, there are large barriers because the languages and cultures are different. We think that it is preferable for people to communicate smoothly with their own mother tongue. Therefore, we have developed a chat system named AnnoChat. AnnoChat has an annotation function for smooth intercultural communications. AnnoChat was applied to experiments carried out among the Japanese, Chinese, and Koreans. From the results of the experiments, about 70% of the added annotations are reusable for intercultural knowledge information. About 20% of the added annotations are used to supplement information that could not be described while chatting. It is thought that this is an effective example of applying the annotation in real-time communications.

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こんな論文どうですか? 機械翻訳を用いた異文化間チャットコミュニケーションにおけるアノテーションの評価(文化・コミュニティとネットワークサービス,<特集>社会システムと向き合うネットワ(藤井 薫和ほか),2007 http://id.CiNii.jp/ZycwL

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