- 著者
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立松 信孝
- 出版者
- 鈴鹿大学
- 雑誌
- 鈴鹿国際大学紀要Campana (ISSN:13428802)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, pp.45-69, 2006-03-20
観光は日常生活圏を離れて一時的に別の場所に移動して,また日常生活圏に戻ってくることで,非日常的な体験や行動をすることである.このためには,必ず居住地から観光地までの移動を伴うことから,観光が成立するためには交通手段すなわち交通機関が必要となる.日常生活を離れた行動であるため,人の移動が存在し,ここに交通需要が発生する.交通は観光を支える重要な社会システムとしての役割をもち,今日ある観光の姿は交通手段の発達によって可能となったと言っても過言ではない.これまでの我が国の状況を振り返ると,観光地が発達してきた背景には交通機関の中でも,鉄道がその中心的な役割を果たし,観光地の発展に大きな貢献をしてきた.このような視点から,観光面からみた鉄道の役割,さらには今後鉄道が厳しい競走条件の中でどのような観光分野で役割が期待できるのかを展望し,鉄道の活性化への道を検証する.