著者
川村 康文
出版者
京都教育大学教育学部附属環境教育実践センター
雑誌
京都教育大学環境教育研究年報 (ISSN:09193766)
巻号頁・発行日
no.6, pp.1-8, 1998-03

生命倫理の問題は,人類が「よく生きていく」ためには,さけてとおれない問題の一つである。高校生に限らず児童・生徒たちが,生命倫理について学習し,この問題について熟考することは,よき地球市民として「よく生きる力」を身につけるために大切である。今回は,そのような教育を作りあげるための基礎資料として「生命倫理」についての意識調査を理科系進学希望の高校3年生に対して行った。その結果彼らは,臓器移植,脳死,尊厳死について,脳死を人の死とし,尊厳死を認め,臓器移植を認めるという傾向がみられ,遺伝子操作についてはそう強く賛成の方向を向いているのではないことがわかった。実験動物にも,人間が侵してはならない権利があると考えていた。出産に関わる考え方は,出生前診断は行うことがあってもよいと考えており,状況によっては中絶の可能性を認めることもあるとしていた。代理母に関しては否定的な傾向が示された。人間に対する遺伝子治療でも,そう強く賛成の方向は向いていなかった。

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