- 著者
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真下 弘征
- 出版者
- 京都教育大学
- 雑誌
- 京都教育大学環境教育研究年報 (ISSN:09193766)
- 巻号頁・発行日
- vol.8, pp.11-40, 2000-03-31
日本の各地域は,戦後の地域開発政策や産業構造改革政策,大量生産・大量消費社会化政策,モータリゼーション等によって,環境破壊や地域社会の荒廃に陥ったところが多かった。しかし,多くの地域で,その破壊や荒廃をのりこえ新たな生活環境づくり,まちづくりに取り組み始めた。本稿は,生活環境づくりの課題について考察している。大量排出物の減量化・再利用化・ゴミゼロ化の課題から自然循環的社会づくりの要点をみることや,生態学的(エコロジカル)生活環境の再生・復元(エコロジカルまちづくり)の事例やその課題をみること,アメニティの概念の整理とその社会的側面・自然的側面の保障の課題,共生的な地域まちづくりの課題のほか,生活環境づくりとしての脱クルマ社会化,エネルギー問題・脱原発化などの課題にも触れている。これらの課題は今後の日本の重要な課題であるが,行政,市民各人,学校,企業がそれをどのくらい真剣に取り組むかで21世紀のありよう,グローバルにみれば地球環境のありようが違ってくる。