著者
齋藤 実
出版者
自由が丘産能短期大学
雑誌
自由が丘産能短期大学紀要 (ISSN:18812244)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.73-85, 2006-08-31

大学病院における医療事故が後を絶たない。特に,近年,大学付属病院が特定機能病院の承認を取消されるケースが何件か報告されている。これらのケースの多くは,内部通報制度が不十分であることに,大きな理由がある。そこで,医療事故を防止していくためのひとつの方策として,公益通報者保護法を活用し,病院内の透明性をはかることをあげることができる。その中でも特に重要なのは,院内の通報に頼るのではなく,外部通報制度により医療事故を防ぐことであろう。とはいえ,外部通報を行う場合,公益通報者保護法では,「通報対象事実」の内容,及び外部通報の要件で問題が生じる可能性があるため,外部通報制度に一定の限界があることは否めない。そのため,これらの要件を限定的に考えながら,誠実性の要件で利益調整を図り,外部通報制度の活用を図ることが必要であると考える。

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