著者
村上 賢治 隈部 浩樹 木村 学
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.125-129, 2007-01-15
参考文献数
11

本実験は,サトイモ(Colocasia esculenta Schott)の球茎の休眠の品種間差異および低温処理による休眠打破の効果を調べる目的で行った.'えぐいも','早生蓮葉','赤芽','筍芋'およびマレーシア産の系統(マレーシア1)を供試し,9月21日と11月23日に掘り上げた球茎について,掘り上げ直後に25℃で発芽試験を行った.その結果,'早生蓮葉''えぐいも'では,9月21日掘り上げ球茎では発芽が非常に遅く,11月23日掘り上げ球茎はすぐに発芽した.'筍芋'およびマレーシア1は,掘り上げ時期に関係なくすぐに発芽した.'赤芽'は,9月21日掘り上げ球茎ではやや発芽が遅かった.'えぐいも'を供試し,10月3日に掘り上げた球茎を,3℃または10℃で0〜60日間および25℃で60日間処理後,発芽試験を行った.その結果,3℃で15日間または10℃で30日間以上処理すると発芽が著しく促進された.低温処理の効果は,'八頭','石川早生丸','大野芋'でも同様にみられた.本実験の結果,サトイモにおいては,9〜10月初めに掘り上げた球茎で休眠がみられる品種とみられない品種があり,低温処理により休眠が打破されることが示された.

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