著者
岡 一郎 末 紀夫 高橋 久幸
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.149-154, 2004 (Released:2008-03-15)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

トマトの毛管式水耕栽培において,標準培養液に人工海水塩を添加して,塩類処理が果実の糖度と重量に及ぼす影響を調査した. 3段摘心栽培では,培養液のECが高く推移した区ほど糖度は高く,糖度と果実重量には負の相関が認められた.標準液に2000 ppmの塩類を添加した培養液で栽培を始め,第3花房開花期から標準液補給に変えて培養液のECを低下させた区では,目標に近いBrix 8.5~9.7の糖度が確保でき,全期間塩類を添加処理した区に比べて,果実重量の低下もやや抑えることができた. 8段摘心栽培では,培養液の窒素濃度を高め,さらに塩類を加えてEC 6 dS・m−1で栽培した区で第1果房からほぼ目標糖度に達し,塩類のみでECを高めた処理区に比べて,上段果房での果実重量の低下も避けることができた.
著者
松本 和浩 李 忠〓 千 種弼 金 泰日 田村 文男 田辺 賢二 黄 龍洙
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.293-297, 2008
参考文献数
10
被引用文献数
1

韓国産イチゴ品種'Mae-hyang','Seol-hyang'および'Keum-hyang'と'章姫'を4℃または20℃で4日間貯蔵し,果肉硬度,可溶性固形物濃度,滴定酸度,アントシアニン濃度および糖組成の品種間差異を調査した.各品種の糖組成をみると'Mae-hyang'および'Keum-hyang'はスクロースが,'Seol-hyang'および'章姫'はフルクトースとグルコースが主体であった.また糖蓄積型ごとに各貯蔵温度における糖組成の変化が異なることが明らかになった.低温貯蔵によりいずれの品種も果肉硬度が上昇したが,特に'Mae-hyang'において顕著であった.また,'Mae-hyang'は貯蔵温度にかかわらず酸含量および糖酸比の変化が少なく,20℃貯蔵区における総可溶性糖含量の低下も他品種比べ少なく,安定した貯蔵品質を示した.一方,'Seol-hyang'は他品種に比べ20℃貯蔵区において酸含量の上昇と糖酸比の低下が起こりやすかった.また,'Keum-hyang'はいずれの貯蔵区でもアントシアニン濃度が高く,4℃貯蔵区でも糖含量の低下がみられた.これらの結果より,'Mae-hyang'が他の韓国産所品種に比べ貯蔵中の硬度と品質を保ちやすい長期貯蔵に適した品種であると認められた.
著者
小笠原 悠 市村 一雄 福永 哲也 永田 晶彦 井上 守
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.577-583, 2012 (Released:2012-12-28)
参考文献数
26

日本国内の生花店では,水揚げの促進を目的として‘水切り’作業を行っているが,切り花を取り扱う際の大きな負担になっている.実際に水切りを行っている生花店の割合とその効果に関するアンケート調査を行ったところ,62%の生花店で水切りは行われており,72%の生花店では水切りに品質保持の効果があると考えていた.次に,キク,バラ,ユリ,トルコギキョウ,ガーベラ,ストックおよびアルストロメリアを乾燥により水分を損失させた後,生体重の回復と品質保持期間に及ぼす水切り処理の影響を調べた.その結果,水切りによりキクとガーベラ切り花のみは生体重の回復が促進された.しかし,他の品目では有意に促進される効果はなかった.また,どの品目においても,水切りにより品質保持期間が長くはならなかった.以上の結果から,‘水切り’が切り花の水揚げと品質保持に及ぼす効果は極めて限定的であることが明らかになった.
著者
佐藤 守 竹澤 邦夫
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.193-201, 2014 (Released:2014-09-30)
参考文献数
26

気象要因による生育予測法により四倍体無核ブドウ‘あづましずく’の発育特性について検討した.発芽期から着色開始期までは日平均気温で予測モデルに係らず実用的な予測が可能であった.発芽については,‘あづましずく’は‘巨峰’よりも自発休眠覚醒に要する低温要求量が少ないものと推察された.開花期は展葉期よりも発芽期を起算日とした場合が,年による予測誤差が少なかった.有効積算温度法の発育零点は開花期までは0°C,着色開始期では5°Cで予測精度が高かった.
著者
越智 靖文 伊東 正
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.37-42, 2012 (Released:2012-02-28)
参考文献数
20

果実内発芽と内生アブシジン酸含量の関係を明らかにするために,果実内発芽し難い系統と果実内発芽し易い系統の2供試材料を,硝酸態窒素濃度の異なる3種の培養液(6.5,13,および26 me・L−1)で栽培した.その結果,果実内発芽し易い系統において,果実内発芽は,最も高い窒素濃度(26 me・L−1)で栽培されたときに増加した.しかし,果実内発芽し難い系統では,すべての窒素濃度下で,果実内発芽が認められなかった.両系統において,窒素濃度が高くなるほど胎座部周辺の果汁中のABA含量が減少した.また,果実内発芽し易い系統よりも果実内発芽し難い系統の方が,胎座部周辺果汁中のABA含量が高かった.以上の結果から,硝酸態窒素施肥量の増加により,胎座部周辺果汁中のABA含量が減少し,その結果として果実内発芽が増加すると考えられた.また,果実内発芽し易い系統では,果汁中のABA含量が低いと推察された.
著者
奥田 均 市ノ木山 浩道 須崎 徳高 平塚 伸 松葉 捷也
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.129-133, 2008-01-15

シートマルチ栽培したウンシュウミカン園などで発生するキク形状を有する果実に対する消費者の嗜好性を評価するため,マルチ栽培で生産されるキク形状を有さない果実(マルチタイプI)とキク形状の果実(マルチタイプII),および露地栽培で生産される果実(露地タイプ)について,16歳以上の309名を対象にアンケートを実施し302名(男127名,女175名)の有効回答を得た.その結果,マルチタイプIIの支持が64.5%で最も高く,マルチタイプI (19.9%),露地タイプ(15.6%)と続いた.選んだ理由には甘み,糖酸のバランスがあげられた.各タイプの支持者を年齢・男女別に分けて支持の特性を分析したところ年齢が高くなるほど女性を中心にマルチタイプを好むことが明らかになった.甘みに対する評価はタイプ支持者間で異なったが,いずれのタイプ支持者も酸に対する評価では差はなかった.形状・外観では露地タイプ,マルチタイプIを支持したグループはマルチタイプIIを劣ると判断したもののマルチタイプIIを支持したグループはタイプ間の差は小さいと判断した.剥皮性についてはいずれのタイプ支持者もマルチタイプIIが劣るとした.本アンケートの結果から供試した3タイプの果実の中ではマルチ栽培により発生したキク形状を有するウンシュウミカン果実の嗜好性が総合的に見て高いことが示唆された.
著者
小泉 丈晴 山崎 博子 大和 陽一 濱野 惠 高橋 邦芳 三浦 周行
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.205-208, 2002
被引用文献数
9

アスパラガス促成栽培における若茎の生育に及ぼす品種,低温遭遇量,株養成年数および性別の影響を検討した.<br> 曲がり症は,低温遭遇にともない発生率が低下し,曲がり症を発生した若茎に立枯病の病徴である導管褐変がみられなかったことから,促成栽培における曲がり症は休眠覚醒が十分でないことにより発生すると推定された.2年生株の供試品種のいずれにおいても,販売可能若茎重および若茎収穫本数は低温遭遇量が多い区で増加した.'バイトル'および'ウェルカム'は,低温遭遇量が少なくても曲がり症発生率が低下し,販売可能若茎重および若茎収穫本数が増加し,'グリーンタワー'および'スーパーウェルカム'より休眠が浅いと考えられた.'グリーンタワー'の1年生株の雄株および雌株並びに2年生株の雄株では,曲がり症発生率および販売可能若茎重から判断すると,伏せ込み開始時期は2年生株を用いた従来の栽培よりも約2週間の前進が可能であることが示された.<br>
著者
壇 和弘 大和 陽一 今田 成雄
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.323-328, 2005-09-15
被引用文献数
4 2

光強度および赤色光(R)/遠赤色光(FR)比を変えた光環境がコマツナ(Brassica campestris品種'はるみ小松菜', '楽天')の硝酸イオン濃度および硝酸還元酵素(NR)活性に及ぼす影響について調査した.コマツナは, 異なる光強度(PPFD 165, 290, 350, 510μmol・m^<-2>・sec^<-1>)あるいは異なるR/FR比(1.01: 対照区, 0.66: R抑制区, 1.50: FR抑制区)の光環境下で1/2単位および1単位の培養液を用いて養液栽培した.異なる光強度でコマツナを生育させたところ, 'はるみ小松菜'の硝酸イオン濃度は光強度の増加とともに低下し, 非リン酸化NR活性は光強度の増加とともに高まった.'楽天'では, 1/2単位の培養液を用いた試験区において, 光強度の増加とともに硝酸シオン濃度は低下し, 非リン酸化NR活性は高まったが, 1単位の培養液を用いた試験区では, 光強度が増加しても硝酸イオン濃度はほとんど低下せず, 非リン酸化NR活性も変化しなかった.R/FR比を変えてコマツナを生育させたところ, 1/2単位の培養液を用いたR抑制区でのみ硝酸イオン濃度の低下が認められた.
著者
金好 純子 古田 貴音 蔵尾 公紀 山口 聡
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.5-10, 2008-01-15

カンキツにおいて三倍体育成の交配親となる単胚性四倍体を作出するため,コルヒチン処理した腋芽を接ぎ木する方法により染色体倍数化を行った.その結果,8品種・系統で19個体の四倍体を得た.四倍体が得られた品種・系統は,'大橘','水晶ブンタン','農間紅ハッサク','清見','安芸タンゴール','西之香','ありあけ'および'広島果研11号'であった.作出した四倍体'清見'を種子親として二倍体'大橘'を交配すると,一果実当たりの三倍体獲得数は7.68であり,二倍体'清見'×二倍体'大橘'の0.05,二倍体'清見'×四倍体'大橘'の0.16に比べて,極めて効率よく三倍体が得られた.また,他の単胚性四倍体を種子親とした二倍体との10組み合わせの交配においても,三倍体が効率的に得られ,一果実当たりの三倍体獲得数は,四倍体'ありあけ'では0.47〜0.91,四倍体'日向夏'では2.13〜2.86,四倍体'クレメンティン'では4.25〜6.00,四倍体'清見'では6.79〜11.33であった.この10組み合わせの交配では,主に小粒の完全種子を形成したが,培養すると79.1%が植物体に再生して,そのうち99.8%(487個体)が三倍体であった.
著者
大江 孝明 櫻井 直樹 山崎 哲弘 奥井 弥生 石原 紀恵 岡室 美絵子 細平 正人
出版者
園芸学会
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.273-279, 2012 (Released:2013-10-08)

ウメ果実の追熟条件の違いが梅酒中の香気成分および苦み成分に及ぼす影響について調査した。におい嗅ぎ分析により,熟した果実を原料とした梅酒の芳香香気に関与する成分の一部がγ-デカラクトン,δ-デカラクトン,酪酸エチル,酢酸ブチルであると判断された。これら芳香香気成分量は,より収穫を遅らせた果実を用いた方が多く,原料果実を20℃で4日,30℃で3日追熟すると高まった。梅酒の青っぽい香気に関与する成分と判断された安息香酸エチルは,20℃では5日以内,30および35℃では3日以内の追熟により,収穫直後に漬けた場合と比べて同程度かそれ以下で推移した。また,苦みに関与するプルナシンおよびシュウ酸含量は20℃で4日,30℃で3日追熟すると減少した。以上のことから,原料果実の収穫時期や貯蔵条件により梅酒加工品の香気成分および苦み成分が大きく変わることが確認され,芳香香気を高め,青っぽい香気成分や苦み成分を抑えるためには,より熟した果実を収穫して,20℃で4日もしくは30℃で3日追熟させてから加工するのが良いと考えられた。
著者
白山 竜次 郡山 啓作
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.357-363, 2014
被引用文献数
2

夏秋ギク5品種および秋ギク5品種を用いて,それぞれの品種の限界日長と効果の高い暗期中断時間帯の関係について調査した.夏秋ギク'フローラル優香','岩の白扇','サザングレープ','サザンチェルシー'および'サザンペガサス'の8月開花における限界日長(暗期長)は,15(9)~16(8)時間で,暗期開始(Dusk)から花芽分化抑制効果の高い時間(NBmax)までの時間(Dusk-NBmax)は,電照時間1時間を加えると6.5~8.5時間であった.一方,秋ギク'神馬','山陽黄金','雪姫','白粋'および'秀芳の力'の12月開花における限界日長(暗期長)は,5品種ともに13(11)時間で,秋ギク5品種のDusk-NBmaxは,電照時間40分を加えると概ね9~10.5時間であった.秋ギクに比較して限界暗期長の短い夏秋ギクはDusk-NBmaxも秋ギクに比較して短かった.これらの結果は,各品種のDusk-NBmaxはそれぞれの限界暗期の長さと連動しており,限界暗期長付近の暗期中断が最も花芽分化に影響を及ぼしていることを示し,個々の品種の限界日長が確認できれば,効果の高い電照時間帯を推定できる可能性を示唆する.
著者
山口 訓史 後藤 丹十郎 大谷 翔子 安場 健一郎 田中 義行 吉田 裕一
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.261-266, 2015

生育段階の異なるシュートに対する温度条件がシュッコンカスミソウ'アルタイル'の形態異常花序発生に及ぼす影響を検討した.シュート長20 cmから2週間15°Cに加温することで,8週間15°Cに加温した場合と同様に,形態異常花序発生が軽減された.2週間加温した個体の切り花長と切り花重は,8週間加温した個体よりも大きくなった.形態異常花序が発生するシュート長と頂芽における花芽分化段階との関係を調べたところ,頂芽のステージが栄養成長からがく片形成期に当たるシュート長が約1~20 cmから15日間の15°C加温で最も形態異常花序が抑制できた.形態異常花序に及ぼす低温の影響を明確にするため,異なる生育段階に対する低温遭遇(7°C)が形態異常花序発生に及ぼす影響を調査した.異なる生育段階に高温(15°C)に遭遇させた実験と同様に,頂芽のステージが栄養成長からがく片形成期までの低温遭遇が形態異常花序発生に大きく関与していた.以上のことから,摘心直後からがく片形成期の期間,株を低温に遭遇させないように温度管理することで,形態異常花序の発生を抑制でき,切り花形質も改善できると考えられた.
著者
佐々木 厚 吉村 正久 鈴木 誠一 森山 厳與 金浜 耕基
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.187-194, 2013

赤色電球形蛍光ランプによる暗期中断時間と光強度がスプレーギクの開花と花房の形状に及ぼす影響について,秋ギク'ゴールドストックダークリネカー'および夏秋ギク'コイアローム'を用いて調べた.光源として,市販の白熱電球(対照光源,75 W)および660 nmの波長をピークにもち,赤色光を多く含む赤色電球形蛍光ランプ(21 W,試作品)を用いた.その結果,いずれの品種とも,商品価値の高い整った花房の形状を示す花芽分化抑制可能な光合成有効光量子束密度(PPFD)の下限値は,同じ暗期中断時間で比較すると,赤色電球形蛍光ランプを使用した場合に白熱電球を使用した場合より低かった.秋ギク品種では,赤色電球形蛍光ランプを使用して1時間の暗期中断を行った場合,花芽分化抑制可能なPPFDの下限値が示されたが,白熱電球を使用した場合では示されなかった.さらに,いずれの品種においても,赤色電球形蛍光ランプを使用した場合の花芽分化抑制可能なPPFDの下限値と,これに対応する暗期中断時間の積の値がほぼ一定になったことから,花芽分化抑制可能なPPFDの下限値と暗期中断時間は反比例の関係にあり,ブンセン-ロスコーの相反則が成り立っていると考えられた.<br>
著者
今西 弘子 生尾 昌子 稲本 勝彦 土井 元章 今西 英雄
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.71-74, 2002 (Released:2007-11-30)
参考文献数
10
被引用文献数
5 4

オフィスにおけるインテリアグリーンがそこに働く人々に与える心理的効果を中心に,インテリアグリーンの効果的な使用法を探る目的で,アンケート調査が行われた.その結果,オフィス内にかなりの量の観葉植物があることが望まれ,それが仕事の上にもよい影響を及ぼすと感じられていること,観葉植物としてアートプランツの使用も容認されること,観葉植物に比べ花はより好感をもって受け入れられることが明らかになった.
著者
佐藤 達雄 塩原 由紀江 大森 明文 芳野 未央子 久芳 慶子 高田 圭太 池田 由紀 元木 悟 小倉 秀一 工藤 光夫
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.303-307, 2009 (Released:2009-07-25)
参考文献数
13

黒色の液状マルチ資材が地温ならびにコマツナの生育,収量に及ぼす影響を明らかにするため,処理量を1,0.5,0.25 L・m−2区および無処理区の4水準3反復,播種日を2007年9月21日,10月5日,10月20日および2008年1月22日の4水準として組み合わせ,栽培試験を行った.その結果,液状マルチ資材は,散布量に関わらず無処理に比較して増収することが明らかになった.地下5 cmの温度を解析したところ,液状マルチ散布により最高地温は上昇するが,9月21日播種を除き最低地温は低下した.この現象はコマツナの生育初期に顕著であったが,生育に伴って,その差は小さくなった.播種後10日間の毎正時積算地温に有意な差は認められなかった.地温の日較差の増大はコマツナの増収に寄与した可能性が考えられた.
著者
高橋 春實
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.213-217, 2006 (Released:2006-09-25)
参考文献数
23
被引用文献数
2 2
著者
清水(丸雄) かほり 渋谷 俊夫 徳田 綾也子 瓦 朋子 杉脇 秀美
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.23-26, 2008
被引用文献数
1

ナス接ぎ木挿し穂の低温(5-10℃)貯蔵中に挿し穂下端部を温水に浸けるボトムヒート(BH)処理を行うことで,挿し木後の発根促進を試みた.ナス台木(<i>Solanum torvum</i> Sw.)挿し穂の挿し木後における根の成長は,BH処理温度26-31℃で最も促進され,その効果はBH処理期間が長くなるほど大きくなる傾向がみられた.BH処理を5日間継続したところ,処理開始4日目において貯蔵中に発根する挿し穂がみられた.発根した挿し穂は,挿し木する際に根を痛める可能性があることから,最適BH処理期間は3日間程度と考えられた.ナス接ぎ木挿し穂を貯蔵開始直後に処理温度27℃でBH処理を3日間行った結果,挿し木14日後おいて,BH処理した挿し穂の根部生体重はBH処理しなかった挿し穂の1.4倍,貯蔵せず直接挿し木した挿し穂の2.8倍であり,BH処理の効果が認められた.<br>