- 著者
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中 敬夫
- 出版者
- 愛知県立芸術大学
- 雑誌
- 愛知県立芸術大学紀要 (ISSN:03898369)
- 巻号頁・発行日
- vol.35, pp.39-51, 2006-03-31
本稿の課題は『芸術作品の根源』における「世界と大地の闘い」をめぐるハイデッガーの芸術論を、なぜ両者は闘い合わなければならないかという問題を中心に、批判的に検討することである。ここではわれわれは、その芸術論の全体を紹介することはできない。本稿での論考は、大地のそれ自体における現象化の可能性に留意しつつ、大地は世界と闘い合う必要がないという主張までに限られる。