- 著者
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名和 又介
- 出版者
- 同志社大学
- 雑誌
- 言語文化 (ISSN:13441418)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, no.4, pp.671-696, 2007-03
1961年に出版された『鬼を恐れない物語』及び人民日報・中国青年報の関連記事は、毛沢東及び文革推進派の政治的キャンペーンであることを指摘した。そこに掲載された作品を翻訳・紹介し、作品にそくして鬼の性質や特徴を取り上げた。さらに鬼の特徴は桃とワンセットの関係にあることを指摘した。またこのキャンペーンの時代背景を探り、60年前後の大災難(餓死者2000万から4000万)をものともせず、鬼(新たな餓死者)を恐れず、社会主義の推進を進めた異常さを問題視したものである。