著者
小久保 秀之 山本 幹男 河野 貴美子
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.40-62, 2007-03-01

手かざし治療の実践者10名(初心者5名と中堅・ベテラン5名)について、その非接触ヒーリング作用の効果を、植物切片(白いぼきゅうり)の極微弱生物光で測定した。ヒーリング作用の量的指標は、実験試料と対照試料の発光強度比の対数(J値)を用いた。また、186項目の質問紙法によって実践者の当日の実践内容、過去の経験やその自己評価を調べた。結果、J値は、初心者群は0.072であったのに対し、中堅・ベテラン群は0.166となり、中堅・ベテラン群が初心者群よりも大きなヒーリング効果を示した(p=0.025、片側)。肩・背中・腰痛に対する施術効果の評価点がJ値と相関したことから(r=0.57、p=0.043、片側)、測定されたヒーリング能力は、痛み抑制効果の能力に深く関係すると考えられた。また、J値は実践者の年齢と正相関し(r=0.63、p=0.049、両側)、特に初心者群ではr=0.92(p=0.025、両側)と非常に強く正相関した。J値は年齢関数と初心者・ベテラン関数の1次結合式でよく近似できた。また、性格特性項日「そそっかしい-慎重」が能力発揮に重要であると考えられた。得られた知見から、著者らは次のようなヒーリング能力の生物学的仮説を提唱する。仮説:(1)加齢によって生ずる痛みを抑制するために、痛み抑制の自己ヒーリング能力が向上する。(2)痛みを抑制する非接触ヒーリングは、自己ヒーリング能力を他者に向けて転用したものである。

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