著者
藤川 和男
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.163-171, 2007-03-05
参考文献数
24

量子力学における幾何学的位相をわかりにくくしている原因の一つとして,幾何学的位相という概念が十分精密に定義されていないことがあげられる.本解説では,まずゆっくり動くパラメターの関与したエネルギー準位の交差とその断熱近似による記述に現れる断熱的位相(これはベリー位相とも呼ばれる)は有効ハミルトニアンの近似的な対角化として純粋に力学的に理解されることを説明する.より一般の非断熱的あるいは混合状態に対する幾何学的位相は,正確なシュレーディンガー方程式の解に自動的に含まれており,隠れたゲージ対称性とそれに付随したホロノミーとして理解できることを説明する.これらの幾何学的位相はすべてトポロジー的にはトリビアルである.

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ベリー位相を再考する/藤川和男

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こんな論文どうですか? ベリー位相を再考する(藤川和男),2007 http://id.CiNii.jp/aMgDL 量子力学における幾何学的位相をわかりにくくしている原因の一つ…

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