著者
ディルタイ ウーリッヒ オーセ ピーター
出版者
社団法人溶接学会
雑誌
溶接学会誌 (ISSN:00214787)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.90-94, 2007-03-05
被引用文献数
2 3

抵抗溶接プロセスにおける予測モデルの現状について,冒頭に著者の意見が述べられている. 1949年にGelmannによって始まった抵抗溶接モデリングに関する研究は, Greenwoodら多くの研究者によって,知識の洗練が成されてきた.今日では,シミュレーションソフトウェアとして,その成果を広く利用できるようになった.本レビューは,抵抗溶接モデリングの歴史と各種シミュレーションソフトウェアの特徴が紹介されており,本分野の世界的動向が一望できる内容となっている.以下は,後者の要約である.デンマーク工科大学からスピンオフしたSwantec社のソフトウェアSorpasでは,材料物性, ISO標準電極および製品形状に関するデータベースの利用により,計算結果を得る.アーヘン工科大学(ドイツ)の著者がトゥーラ大学(ロシア)と共同開発したSpotSIMでは,溶接中の材料の塑性変形および電流波形の経時変化を計算する.その結果,ナゲット形状だけでなく圧痕,溶接後のギャップおよびチリの発生を検討することが可能である.また,その計算手法について紹介されている.シュットガルト大学(ドイツ)のGreitmannらは汎用FEMソフトANSYSを利用したSpotwelderを開発した.これにより溶接部の応力分布,変形,温度分布および電流密度が可視化された.計算には,接触抵抗も考慮される.ノッティンガムトレント大学(イギリス)のAravinthanらは,汎用FEMソフトANSYS用シミュレーションツールを開発した.本ツールにより,構造計算およびナゲット成長に関する熱電気計算を行うことができる.南カリフォルニア大学(アメリカ)のKhanらは,アルミニウムを対象としたナゲット成長モデルを構築した.本モデルでは,相変態および熱伝達データベースを利用する.ベルリン工科大学(ドイツ)のDeらは,インド工科大学とアルミニウム合金に関するシミュレーションモデルを共同開発した.非線形熱依存性,融解エンタルピーおよび凝固が考慮される.大阪大学接合科学研究所(日本)のMurakawaは,スポット溶接およびシーム溶接に関するモデルを構築した.電場,熱伝導および変形を考慮した計算が特徴である.マサチューセッツ工科大学(アメリカ)のMatsuyamaは,可視化プログラムを開発した.本プログラムは通常のナゲット成長モデルに加えて,インライン制御を想定した高速計算モデルを含むため, Hybrid simulationと称される.本レビューは,著者による今後の展望によって締めくくられている.

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こんな論文どうですか? 抵抗溶接プロセス予測モデルの最前線(<特集>溶接プロセス予測モデルの最前線)(ディルタイ ウーリッヒほか),2007 https://t.co/adjyeAAIM3
こんな論文どうですか? 抵抗溶接プロセス予測モデルの最前線(<特集>溶接プロセス予測モデルの最前線),2007 http://id.CiNii.jp/aTfoL
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