著者
梅末 正芳 松崎 浩史 園田 拓道 松井 完治 塩見 哲也 芦原 俊昭
出版者
特定非営利活動法人日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.157-161, 2007-05-15
被引用文献数
1

症例は76歳,男性.平成17年5月21日左回旋枝の完全閉塞による急性心筋梗塞(後側壁)に対しシロリムス溶出性ステントを挿入された.残存する左前下行枝近位部の90%狭窄病変にに対し冠動脈バイパス術を施行することとなった.手術1週間前よりチクロピジン,手術2日前よりアスピリンを休薬し,ヘパリンを手術5日前より手術前まで静脈内持続投与し,6月9日に心拍動下に左内胸動脈を左前下行枝へ吻合した.手術当日夜よりヘパリン持続点滴を開始し,手術翌日よりアスピリンおよびチクロピジンを開始したが,術当日に急性心筋梗塞を発症した.緊急心臓カテーテル検査では,バイパスグラフトは良好に開存していたが左回旋枝に留置したステントの完全閉塞を認め,同閉塞に対しカテーテル治療を行い血流再開を得た.薬剤溶出性ステント挿入後はステント血栓症予防のために最低3カ月のチクロピジン投与および無期限のアスピリン投与が推奨されているが,出血性疾患の合併や外科手術のために抗血小板剤の休薬を要する状況も想定される.本報ではそのような患者における抗血小板療法,抗凝固療法につき検討した.

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こんな論文どうですか? 心拍動下冠動脈バイパス周術期に亜急性血栓症をきたした薬剤溶出性ステントの1例(梅末 正芳ほか),2007 https://t.co/Qb1BKS4c3q
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