著者
中島 通子 牛之濱 久代
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 = Japanese Lournal of Maternal Health (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.82-89, 2007-04-01
参考文献数
9
被引用文献数
3

本研究の目的は,立ち会い分娩を実施した夫がいかなる体験をしたか,またそれに対する意識について明らかにすることである。さらに夫へのサポートのあり方を考察する。方法は立ち会い分娩を経験した夫142名に対し,同意を得た後,自記式アンケート調査を実施した。その結果,夫自ら立ち会い分娩を決定した者106名75%(グループA),妻,助産師,友人から勧められ立ち会いを決定した者36名25%(グループB)であった。立ち会い分娩後の夫は,(1)子どもへの愛情(2)妻への愛情(3)父親の自覚の3つを感じていた。グループAは「妻との経験を共有」についてより強く感じていた(p=0.008)また,「実施可能なケアについて教えて欲しい」と希望していた(p=0.002)。グループBは立ち会い分娩終了後「無力感」を強く感じていた(p=0.009)。新しい家族の誕生は,夫・妻にとって喜びとともに課題でもある。本研究では,夫たちは自ら出産に父親としての役割を見出し責任を果たそうとしていることが明らかになった。

言及状況

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@TOTB1984 助産分野ではわりと頻繁にアンケート調査がされていて夫婦ともに肯定的に捉えているという結果が多いですが…。 夫への事前教育や助産師の技量も大きいと思います。 自発的でないと無力感を持ちやすいと聞いて両親学級の強化などしてました。 https://t.co/iLPFWUuuYt

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