著者
谷口 真吾 橋詰 隼人 山本 福壽
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.305-311, 2003-11-16
参考文献数
25

鳥取大学林山演習林のトチノキで花芽の分化と発育を調査した。トチノキの花芽は毛状鱗片の内側の成長点が円形に肥厚して花芽原基になった。花芽原基は急速に成長して花軸の周りに次々に小花を形成し,その中に葯と子房が分化した。8月中旬〜下旬には葯内に胞子形成細胞が,子房内に胚珠の原基が形成された。9月中旬には花粉母細胞と卵状の胚珠が観察された。花粉は翌年の5月上旬に形成された。5月中旬には子房の先端部に花柱が分化し,花糸と花柱が伸長して両性花が完成した。胚珠の退化した花では花柱が伸長せずに,花糸のみ伸長し,雄ずいが完成して雄花になった。花芽は9月中旬に冬芽の形状により外観で葉芽と区別できた。

言及状況

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