著者
古澤 仁美 宮西 裕美 金子 真司 日野 輝明
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.318-325, 2003-11-16
被引用文献数
20

ニホンジカによって林床のミヤコザサが強度の探食を受けている大台ヶ原の針広混交林において,シカ排除区とササ刈り区を設けてリターおよび土壌の移動量を測定した。移動した樹木葉と樹木枝は非ササ刈り区ではササ刈り区と比べて小さく,ミヤコザサにはこれらの移動を抑止する効果が認められた。ミヤコザサの地上部現存量とリターおよび土壌の移動量とは指数関数的な負の相関が認められた。シカ排除処理後3年間経過した区ではミヤコザサの地上部現存量は回復し,リターおよび土壌の移動量は他の広葉樹林で報告されている値と同程度であった。それに対してシカを排除しない対照区ではリターおよび土壌の移動量は他の広葉樹林の約1.2〜4.3倍であった。現在の大台ヶ原ではニホンジカによるミヤコザサの採食の影響でリターおよび土壌の移動量が増加していると示唆された。

言及状況

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@o_chiwa 下層植生が回復する可能性があるならシカを排除することでリターと土壌の移動を抑えられるらしい。http://t.co/FbSDoPzL 傾斜を緩くするっていうのは根本的な解決ではあるけど…土壌の撹乱していいのか育林的な問題でもあるよね。

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