- 著者
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高木 正博
野上 寛五郎
仲川 泰則
- 出版者
- 一般社団法人日本森林学会
- 雑誌
- 日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
- 巻号頁・発行日
- vol.86, no.3, pp.279-282, 2004-08-16
- 被引用文献数
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5
南日本太平洋側の温暖多雨な気候と急峻な地形が山地小流域の降水に伴う増水時の渓流水の無機成分濃度の変動パターンに及ぼす影響を把捉するために,宮崎平野の西端の丘陵地帯に位置する面積2.4haの針葉樹人工林小流域において,1年間にわたり12の増水イベントの観測を行った。その結果,1)季節,降水量,先行降雨指数および増水前流量に依存しない増水時のEC,pH,Na^+,Mg^<2+>,Ca^<2+>,およびCl^-の減少とNO_3^-の増加,2)夏期の増水時の硝酸濃度の顕著な上昇,3)明瞭なフラッシング,の3点が特徴として明らかになった。1点目は急峻な地形による卓越しやすい土壌水の影響が,2点目は国内でも著しいこの地域の夏期の高温と多雨の影響が表れていると推測された。