著者
渡部 浩章
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.449-455, 2007-05-31
参考文献数
7
被引用文献数
2

福井豪雨をもたらした線状降水域について,1.5kmまたは5kmの分解能を持つ気象庁非静力学モデル(JMA-NHM)で詳しく調べた.福井県の西海上では,実況の解析雨量に対応する線状降水域をほぼ再現した.中層では梅雨前線に沿って高湿度領域となっており,前線付近での風向は一様に西北西であった.下層では前線に沿って前線南側の西風と前線北側の北西風により線状の収束域が持続していた,線状降水域の風上に次々と積乱雲(降水セル)が発生して,バックビルディング型の特徴を示した.降水セルは線状降水域に沿って時速約50km/hで東南東進していた.降水セル下部の収束と上部の発散は,ともに10^<-3>/s以上の大きさであった.また,雨滴の蒸発による冷却効果は見られなかった.

言及状況

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こんな論文どうですか? 気象庁非静力学モデルで再現された福井豪雨時の線状降水システム : 2004年7月18日(渡部 浩章),2007 http://id.CiNii.jp/aVhML

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