- 著者
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平松 良浩
- 出版者
- 地学団体研究会
- 雑誌
- 地球科學 (ISSN:03666611)
- 巻号頁・発行日
- vol.61, no.4, pp.243-253, 2007-07-25
- 被引用文献数
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1
2007年3月25日に発生した能登半島地震(M6.9)は能登地方で起こった初めてのM7クラスの地震であり,石川県での地震観測史上初めて震度6強という強い地震動が観測された.震源の深さは11kmであり,地震発生層の深部から破壊が始まっている.この地震の断層面は北東-南西方向に走向をもつ南東傾斜の面であり,震源メカニズムは右横ずれ成分を伴う逆断層である.震源断層は海域と陸域に渡っており,海域には震源断層に対応する活断層の存在が報告されているが,陸域には対応する活断層は存在しない.最大余震(M5.3)は余震域の北東端と南西端で発生しており,余震の時空間分布やメカニズム解から判断すると,これらの最大余震が起こった領域は本震を起こした領域とは異なるセグメントである可能性が考えられる.