著者
人見 一彦
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学医学雑誌 (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1-7, 2006-03-25

メンタルヘルス科の臨床は社会の変化と密接に関連している.医学部附属病院の開設以来,30年にわたり,メンタルヘルス科の臨床に携わってきた.その間に,微細脳損傷症状群から行動障害を伴う注意欠陥多動性障害への変化,破壊的行動障害のマーチ,自閉性障害から行動障害を伴う発達障害への変化,高機能自閉症への関心,統合失調症の軽症化,摂食障害の病像の変化,境界性人格障害に代表されるII軸診断における人格障害の登場,解離性同一性障害の増加,登校拒否・不登校などと表現される不適応行動から社会的引きこもりへの変化,うつ病の増加と密接に関係する自殺の増加,性同一性障害の登場などが問題となってきた.これらの変化は,家族内における対人関係の変化,それらと密接に関係するストレス社会,インターネット社会の登場と表裏一体をなしている.

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