- 著者
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齋藤 実
- 出版者
- 自由が丘産能短期大学
- 雑誌
- 産能短期大学紀要 (ISSN:09167218)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, pp.61-71, 2005-06-30
- 被引用文献数
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2004年,我が国ではじめての包括的な内部告発者保護法である,「公益通報者保護法」が制定された。本法は,イギリスの公益開示法をモデルに参考にして制定されたものである。そこで,本論文ではイギリスの公益開示法を概観しながら,我が国の公益通報者保護のあり方を検討する。公益通報者保護法は,わが国で初めて一般的包括的に内部告発者を保護した法律であるという点は,高く評価できるものと思われる。しかし,通報対象事実の範囲が狭い点,外部通報の要件が厳格である点については,まだ改善の余地があると思われる。コンプライアンスを促進しようとしない会社に対して,メスを入れることこそが公益通報制度にとっては重要である。とするならば,本法による濫用的な内部告発を防ぎつつも,本法を改善し広く公益通報を認めて行くことが必要であろう。