著者
稲葉 浩幸
出版者
近畿大学
雑誌
生駒経済論叢 (ISSN:13488686)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.255-266, 2006-12-20

わが国に近代的な生命保険事業が紹介されたのは,1867年の福沢諭吉『西洋旅案内』が最初とされる。明治維新以後,政府は富国強兵・殖産興業をスローガンに資本主義化を推進し,1881年にはわが国初の近代的な生命保険会社,明治生命が開業した。黎明期の生命保険事業は類似保険および経営基盤の脆弱な生保会社の乱設などの諸問題を抱えながらも,保険業法制定,第一生命保険相互会社の創立と順調な発展を遂げた。生命保険の浸透にともない,小説の題材としても次第に生命保険が登場するようになった。本稿では,黒岩涙香『生命保険』(1890年)と夏目漱石『吾輩は猫である』(1905年)の2編を採り上げ,その内容を生命保険の観点から検証する。

言及状況

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メモ。かみさんが観てるJINでも出てきた生命保険の話。日本に紹介したのは福沢諭吉らしい。/ わが国生命保険業の黎明期と小説 http://ci.nii.ac.jp/naid/110006427342

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