- 著者
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樋渡 保秋
- 出版者
- 一般社団法人日本物理学会
- 雑誌
- 日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
- 巻号頁・発行日
- vol.62, no.10, pp.738-743, 2007-10-05
分子シミュレーションが最初に行われたのは今から50年前,アルダー(B. J. Alder)とウェインライト(T. E. Wain-wright)による剛体球系モデルの分子動力学シミュレーションである.ほぼ同時期にウッド(W. W. Wood)とヤコブソン(J. D. Jacobson)によって同じモデルのモンテカルロ・シミュレーションも行われた.これらのコンピュータ・シミュレーションがその後の分子シミュレーション研究を開花したことの意義は重要である.今日分子レベルのコンピュータシミュレーションの広がりは物理分野のみならず,化学は当然ながら,生物学,地球科学,工学,農学等々とその限界を知らない勢いである.分子シミュレーションのこの勢いは今後も続くのであろうか?