著者
白石 晃一
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学研究紀要 (ISSN:13447459)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.83-98, 1999-03-31

教育の量的拡大をなしとげた国々での重大問題である「教育の質」についての論議(definition of quality of education)と教育の質の向上を目指す「質の教育」(quality education)の計画と実践を,1980年代後半から90年代前半にかけてのイギリスの幼年教育(3歳〜7,8歳児の教育)について検討した。そして,ナショナル・カリキュラム(1988年)が幼年教育に悪影響を与えるとの批判を受けたため,ランボルド報告(1990年)によって本来の幼年教育とナショナル・カリキュラムとの調整がはかられたことを明らかにした。ランボルド報告の示す児童観(児童中心主義)と教育内容論(cross-curricular approachesの推奨)は,ケアと教育の分離不可能を前提とし,遊びを重視するなど,教科教育重視の傾向にある小学校教育に反省を迫るものである。なお,ランボルド報告にもとづく問題解決学習の事例としてマンチェスター・グループの実践をとりあげ,イングランドにおける改革に先立つ論議と計画についてスコットランドのストラスクライド地域の例をとりあげた。

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