- 著者
-
小野山 敬一
- 出版者
- 帯広畜産大学
- 雑誌
- 帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.2, pp.173-178, 1987-06-30
北海道大雪山系然別地域の東と西ヌプカウシヌプリ山において1979年5月,6月,7月,9月と1981年9月に各々標高900〜1250mと720〜1210mの間で捕殺わなと一部シャーマン型トラップ(900-910m)によって小哺乳類を採集し,垂直分布を調べた。3科4属7種が捕獲された。エゾトガリネズミとオオアシトガリネズミは標高900m付近で殆どが得られた。ミカドネズミは720〜1020m,ヒメネズミは780mから山頂,エゾアカネズミは720mから山頂のあいだで捕獲され,カラフトアカネズミは東ヌプカウシヌプリ山頂付近(1230m)で1個体だけ得られた。両山の900m付近ではエゾシマリスが捕獲された。ミカドネズミとエゾアカネズミが800mから900mで多かった。エゾヤチネズミは捕獲されず,その理由としてミカドネズミとの種間関係が示唆された。ナキウサギは870mから1250mの間で姿や鳴き声により確認された。