著者
小林 隆児
出版者
東海大学
雑誌
東海大学健康科学部紀要 (ISSN:13474162)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.63-75, 1998

自閉症の人々にみられる対人関係障害を愛着形成の障害として捉え、どうすれば彼らの愛着行動が促進され、他者との間でコミュニケーションが発達していくかを論じた。最初に彼らの愛着形成障害の原因として接近回避動因的葛藤が存在することを、具体的に強度行動障害を合併した自閉症の成人例2例を提示して説明した。ついで彼らの接近回避動因的葛藤を緩和するために、彼らの行動の背後に存在する動因(意図)を感じ取ることの重要性を指摘した。そうした接近によって彼らの愛着行動を引き出すことが可能であること、それを契機に情動的コミュニケーションが深化していくことを示した。情動的コミュニケーションの進展においては、まずもって療育者の積極的関与、すなわち療育者の側からコミュニケーションの枠組みを作っていくことが大切であること、それによって次第に彼らも療育者の意図を察知するようになり、次第にやりとり構造というコミュニケーションの形態を示していくことを論じた。

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メモ:自閉症の人々にみられる愛着行動とコミュニケーション発達援助について http://t.co/1XKmkTx8
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