- 著者
-
有賀 絵理
- 出版者
- 茨城大学
- 雑誌
- 茨城大学地域総合研究所年報 (ISSN:03882950)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, pp.77-85, 2007
少子高齢化が進むにつれ,災害弱者は障がい者よりも高齢者の方が,実数・割合とも高くなってきている。これまでは,災害弱者イコール障がい者と見る傾向が多かったが,現実は,高齢者の救護・介護の一部として,災害弱者の避難方法を取り上げざるを得なくなってきた。そのためには,全ての人間が安全で健康的な生活を保障するユニバーサルデザインの社会が要求される。災害避難を実施する場合,災害の情報を正確に伝える,そして,対応は,自宅待機,緊急避難,生活場所移動,町の廃棄まで,いろんな段階がある。これらの対応に,住民が自治体の指導の下に,一致協力して被害を最小限に食い止める災害避難・防災が人類共通の課題となる。勿論,災害発生・場所などの規模の大小は大きい。これらの災害に対して,被害を最小にする対応には,災害弱者の実数・生活場所を確認し,通常の救護・介護体制を把握し,災害発生時の地域社会の救援体制整備が不可欠である。本研究では,第一段階として,災害情報連絡の周知体制の整備を検討したい。